2013年4月14日日曜日

ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物 を観てきました★ #109

金曜日、ずっと観たかった映画を観てきました★


コレ。

前作「アートの森の小さな巨人」の続編なのですが、
今作からでも十分楽しめます。

簡単にお話をまとめると、
郵便局員だったハーブ(旦那さん)と公立図書館のドロシー(奥さん)は結婚後、
ドロシーの収入を生活にあて、ハーブのお給料をすべて使ってアートの収集を始めます。
その夫婦がアートを選ぶときの基準は3つ。

1.自分達のお給料で買える値段であること
2.1LDKのアパートの収まるサイズであること
3.好きなアートを見つけるのに、知識や理屈は必要ない。

結果、その40年でマンハッタンにある1LDKのアパートは
ミニマルでコンセプチュアルな作品で一ミリの隙間なく溢れ、
その数は最終的に4000点にもなりました。

前回の映画の作品では、この4000点のアートたち全てを
アメリカ国立美術館(ナショナルギャラリー)へ寄贈するお話でした。
そして今回はナショナルギャラリーでは入りきらなかった2500点の作品を
「ハーバード&ドロシー・ヴォーゲル・コレクション50×50」というプロジェクトとして
全米50の州の美術館に50点ずつ寄贈するというお話です。


「ロックフェラーじゃなくたって、アートコレクターになれる!」

映画のみどころは
彼らが我が子のように大事にしてきたコレクションが独り立ちして、全米に散っていく。
この前代未聞のアート寄贈計画を、夫婦やアーティストたちはどんな思いで受け止めるのか?
地元の反応は?そしてついにコレクションの幕は閉じられ、、夫婦にも最期の別れが訪れる・・・
というドキュメンタリー仕立てな映画なのですが。

わたしはずっと、この夫婦の生き方、人生の歩み方になんというか、尊敬の気持ちで
食い入るようにスクリーンをみていたように思います。
けっしてお金持ちでもない普通の質素な暮らしをしながら、
わかかりしときは、毎日のように展覧会を巡り、アーティストと交流し、
そしていろんなアーティストを発掘していく。
まるで家族や自分の子供に接するようにアーティストや作品を大事にし
だけど、ベッドの下にも作品がぎっしり。

わたしはその具体的な行動うんぬん、というより、夫婦という形をすごく考えさせられたのです。
ふたりで、一緒になにかをなすこと、それはまわりと違っていても、二人で一緒に
愛情もって、なにかをなすこと、それはふたりで生きた証。

あるアーティストが言った言葉
「僕はずっと作品が売れなかったんだ、でもハーブとドロシーが僕の絵を買ってくれた。
認めていてくれていた。だから僕は僕の人生を失敗したと思わないですんだんだ、わかるかな?」

そうやって、自分達が好きではじめたことが、結果誰かの心に何かを残すこと。

そんなことがこれからの自分達の人生でできるのかな?って心から思いました。

「これは2人の美しいラブストーリーなんですよ、芸術を愛し、数百万ドルの作品を
世の中に還元した夫婦のね」


命は紡いでいくもの。それがどんな形であるかは人それぞれなんだよ。
それをハーブとドロシーから教わった、そんな感じ・・・

夫婦の別れがきたとき、出した決断。
なにもなくなった部屋の壁にかけれられたひとつの絵。

夫婦ってやっぱり奥ふかい。

また、この作品、配給会社がつかないクラウドファンディング
(インターネットを使って小額を多数の支援者から募りクリエイティブなプロジェクトを実現するというもの)
という資金調達法によって公開に至ったのですが、
それをしたのも、まさにこの「ハーブ&ドロシー」のスピリット。

観て本当に自分の人生を考えさせられた、とても素敵な映画でした。

miyuki




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